株式会社サクラクレパス
鹿児島工場

大隅地域
クーピーやピグマといった筆記具から絵画用品・学用品、事務用品などを製造する総合文具メーカー
Q1

株式会社サクラクレパスや鹿児島工場の概要について教えてください。

当社は株式会社サクラクレパスのグループ会社として、1971年2月に鹿屋市(旧吾平町)に設立され、マーキングペンの生産工場として、2021年に操業開始50周年を迎えました。 これまで1983年に全国で初めて水性マーキングペンの日本工業規格(JIS)表示許可工場となり、品質の向上・強化に努めているほか、2008年にISO14001、2013年にISO9001認証取得するなど、顧客満足度の向上と環境保全活動に取り組んでいます。 現在は水性顔料インキのサインペン「ピグマ」、水性ゲルインキボールペン「ボールサイン」、油性マーカー「マイネーム」など、サクラクレパスの主力商品を製造しており、2021年5月に創業100周年を迎えた親会社の成長とともに順調に業績を伸ばしており、同グループ内でも重要な生産拠点となっています。
株式会社サクラクレパス
株式会社サクラクレパス鹿児島工場 代表取締役社長 久木山元成氏
Q2

鹿児島県への立地の経緯を教えてください。

当社は1970年の始めに、鹿屋市(旧吾平町)から過疎対策として、誘致企業の熱心な働きかけがあり、大阪商工会議所を通じて株式会社サクラクレパスにお話がありました。 当時は日本経済が高度成長の波に乗り、人手不足が表面化し、求人活動も多難のなか、両者の当面の問題点、つまり過疎と求人難を解消する目的が一致して立地に至りました。 1971年2月から従業員60名で操業開始し、これ以降は旧吾平町の時に4回、鹿屋市になってから2回、工場拡張の折に際し立地協定を締結し、現在17棟の工場・倉庫を保有し、現在約140名で操業しています。
株式会社サクラクレパス
Q3

御社における鹿児島工場の位置づけを教えてください。

サクラクレパスのグループ会社の筆記具を中心とした量産型生産工場として、 ①親会社の社是冒頭の「企業は永遠である」という理念を堅持すること。 ②同じく経営方針(積極的堅実経営・最高品質・共存共栄)を遵守すること。 ③遠隔地による運賃、納期などの不利を克服して、大阪外注先と比較し、遜色のない会社であること。 これらを当社の役割、そして使命に経営しています。 当初は、本社から材料・部品を輸送し、鹿児島で組み立て等を行っていましたが、徐々に鹿児島で一貫生産ができるようになりつつあります。また、鹿児島県の方は、真面目で実直に働いていただいており、現在は、当社で販売するペンの8割が鹿児島で生産されています。 特に、当工場で生産している「ピグマ」が海外で人気であることもあり、当工場の生産のうち、3割程度は輸出向けになっています。
Q4

鹿児島市のある薩摩半島と海で隔てた大隅半島の鹿屋市に立地していますが、操業や生活に不便はありませんか?
また、大隅半島に立地したメリットを教えてください。

陸の孤島といわれる大隅半島に立地していますが、近年において流通が大きく改善され、中でも高速道路の整備によって空港や港からの移動時間の大幅な短縮が図られました。
また、ここにきて労働者の確保に悩まされていましたが、最近では高速道路を利用した遠方からの雇用者も確保できつつあり、更なる大隅半島の発展に期待しています。
鹿屋市は、内陸の台地に位置しており、津波や土砂崩れの恐れがなく、BCPの観点から、非常に操業に向いています。また、農業が盛んですが、工場の繁忙期と農閑期が一致していることで、繁忙期に短期労働者を増やしやすく、農家の方も副業のように安定的な収入を得ていたと聞いています。
加えて当社は創業50年の歴史があり、この間に培われた生産技術力と、周りには勤勉かつ優れた従業員がいて、社内外の教育によりこれからの製造業におけるIT化等に必要な人材の育成もできており、今後も地域行政や地域住民の十分な協力を受けて事業展開を図って行きたいです。
株式会社サクラクレパス
Q5

鹿児島工場の今後の展望を教えてください 。

2017年に部品工場を建設し、成型部品から製品組立の一貫工場となり、2021年の増設計画における一期工事として、新組立工場棟と新事務厚生棟の増設を行い、翌年の6月に竣工及び操業を開始し、更なる近代的な工場増設を行う事が出来ました。
今後において二期工事、三期工事も計画される中、生産力強化の傍ら従業員の福利厚生と職場環境の充実を図り、従業員全員による生産性向上の取り組みを推進し、地域経済の活性化と雇用機会の創出の場所となる、自分達が誇れる鹿児島工場を作り出し、サクラクレパスの筆記具製造の主力工場拠点となっていきたいと考えます。
株式会社サクラクレパス

令和4年12月6日インタビュー実施