京セラ株式会社
鹿児島国分工場

姶良・伊佐地域
電子部品、ファインセラミック部品、半導体部品、情報機器、通信機器、太陽電池、セラミック、宝飾、医療用製品などを製造する大手電子部品・電気機器メーカー
Q1

京セラ株式会社や鹿児島国分工場の概要について教えてください。

京セラ株式会社鹿児島国分工場は、1972年に130名で操業を開始し、2022年10月で操業50周年を迎えることができました。
現在では約5,200名の従業員が勤務しており、京セラの国内工場では最大規模となっています。
当工場では、ファインセラミック部品、自動車部品、半導体部品、電子部品、プリンティングデバイスなどの各種部品・デバイスを生産しています。
また、これからの情報通信社会で益々重要性を増す5G・IoT機器で使用される部品や脱炭素社会の実現に貢献する燃料電池などの研究開発のスピードアップを図ると共に、社外技術者との交流、人材育成、イノベーション創出を推進するために開設した「きりしまR&Dセンター」という研究開発部門も併せ持った工場となっています。
京セラ株式会社国分工場
京セラ株式会社鹿児島国分工場 工場長 小坂秀成氏
Q2

現在も国内最大級の工場を鹿児島県で操業し、最新鋭の研究開発施設を敷地内に開設することで、研究開発も行えるようになりました。 また、昨今増加する半導体需要を受けて、大規模な設備投資を続けられています。
鹿児島県に研究開発拠点を整備した理由を教えてください。
また、大規模な設備投資を国内外に多くの拠点がある中で、鹿児島県で行っている要因を教えてください。

まず、霧島市に研究開発拠点を開設した理由として、鹿児島は自然豊かでありながら、歴史を振り返ると進取の気風があり、活気ある霧島のロケーションが技術者の新たなイノベーションを生みやすい環境にあること。
次に大規模な設備投資を行っている理由として、他の国内の拠点に比べて、工場用地が確保しやすく、鹿児島県や霧島市などの行政が積極的に産業立地のサポートをしてくれること。
また、地元志向の強いUターン含めた優秀な人材を確保しやすい環境にあることが挙げられます。
加えて、霧島市には鹿児島空港や高速道路のインターチェンジがあり、交通機関のアクセスにも恵まれており、物流のタクトタイムが短縮でき、飛行機を利用する県外からのお客様が来場しやすい地理的なメリットもあります。

京セラ株式会社鹿児島国分工場
Q3

長年にわたり鹿児島県で操業する中で、多くの地元出身の社員を採用していただいています。
鹿児島県の人材にはどのような特色がありますか?

鹿児島県の出身者は、真面目で一生懸命仕事へ打ち込む人材が多いという印象です。
製造業務は各種設備や装置を取り扱うことが多く、安全面を含めて常に細心の注意を払い作業することが求められますが、決して手を抜くことなく取り組んでくれております。
また、人間性において温かい人が多く、互いに苦楽を共にできる家族のような信頼関係を自ら築くことで、困難な課題を乗り越えてくれています。
創業者の稲盛は従業員に対して京セラフィロソフィという哲学の重要性を説き、共有に努めました。
その中に「大家族主義」というものがありますが、国分他県内の工場では温かい鹿児島県人の心根が「大家族主義」の風土を醸成してくれています。
当社が長年に渡り、鹿児島県で操業できているのも弊社の社風に合った優秀な地元出身者のおかげと言っても過言ではありません。

京セラ株式会社鹿児島国分工場
Q4

住んで分かる鹿児島県の魅力を教えてください。

気候が温暖で、黒牛や黒豚、地鶏、焼酎など、食にも非常に恵まれており、また物価が安いのも魅力です。
鹿児島は大都市圏の方からは、一般的に「田舎」のイメージがあるかもしれませんが、鹿児島市や霧島市は商業施設や飲食店、娯楽施設などが充実しており、実際に住んでみると生活利便性はかなり高いです。
また、市街地の近くに新幹線が停車する駅や空港もあり、各地からアクセスしやすいと感じます。
一方で、山や海などの自然に恵まれているのも魅力の1つです。県内には温泉も多数あり、休日に出かけると気分転換になります。
県民性としては、全体的に穏やかで優しく、「困っている人がいたら助けずにはいられない」という方が多いように思います。
総合的に見て非常に生活しやすい環境だと感じます。
Q5

鹿児島県の拠点の今後の展望を教えてください。

鹿児島国分工場が50年以上に渡って生産活動を継続することができていますのは、鹿児島県や霧島市をはじめ、地域の皆様方のご理解、ご協力のおかげと感謝しております。
特に、ここ数年は、事業内容の多くが世の中の方向性、需要とマッチングしていることもあり、お客様から多くのご注文を頂いております。
そのご要求にお応えするために、複数の建屋建設を進めておりますが、いよいよ生産スペースのさらなる確保が必要になりつつありますので、霧島市から購入予定の新用地を有効に活用し、さらなる事業拡大を図っていく計画です。
一方、そうした取り組みは一段と地域社会への影響が大きくなると考えられますので、これまで以上に情報開示やコミュニケーションの機会を作り、地域の皆様にご理解を頂きながら、事業活動を行っていく考えです。

令和4年12月27日インタビュー実施