株式会社飯塚製作所鹿児島工場

姶良・伊佐地域
シートベルトやエアバッグなどの自動車部品で世界的なシェアを持つメーカー
Q1

株式会社飯塚製作所及び鹿児島工場の概要について教えてください。

当社は奈良県大和高田市に本社を置き、奈良市針工場及び鹿児島工場の3拠点でシートベルトやエアバックなどの自動車安全部品を主に製造しております。 株式会社飯塚製作所鹿児島工場は、2012年に姶良市蒲生町で従業員17名で操業を開始し、さらに2019年に新たに第2工場を増設し、現在は鹿児島県に立地してから11年目を迎えております。 これらの自動車安全部品は、主に冷間鍛造により製造しておりますが、当社の強みは、素材・前処理・冷間鍛造・プレス・切削・量産まで全てを設計し、完結できるところです。 現在の売上高は、直近の決算で約27億円でコロナ禍や半導体不足など影響を受け少し減少しておりますが、鹿児島工場では会社全体従業員の約半数となる約100名が従業員として勤務し、各部署で活躍しております。
株式会社飯塚製作所
株式会社飯塚製作所 取締役 厚地和幸氏
Q2

鹿児島県への立地の経緯を教えてください。

当社は、2003年に立ち上げた奈良市針工場が手狭になってきたため、新たに工場用地を探していました。 その中で、鹿児島県の熱心な誘致活動に心を打たれ、鹿児島県蒲生町(現姶良市)への進出を決定しました。 進出当時、九州新幹線が全線開通することとなり、本社のある関西と鹿児島県が新幹線1本で結ばれるとともに、関西-東京と時間的に大差ないことから、鹿児島県で操業してもこれまでと大きく変わらず操業できるだろうと思い、鹿児島県へ進出しました。 進出した蒲生町は、鹿児島県中央部に位置し、鹿児島空港にも近いことや周辺に鹿児島市や姶良町など人口の多い場所に近く、従業員の確保に有利と判断し進出しました。 当社としても初の県外進出だったため、土地勘もない地でどうやって操業すれば良いか分かりませんでしたが、県や町の方が相談にのっていただいたり、支援をしていただいたりしたことで、無事に操業でき、現在の規模まで発展することができました。
株式会社飯塚製作所
Q3

自動車関連部品を製作されていますが、組立工場等から地理的に離れた鹿児島県に拠点を持つことで、工場からの距離やアクセスなど不利な点はありませんか?

主な客先である自動車メーカーの1次サプライヤーが関西、関東、北九州に集中している中、奈良県に比べ鹿児島県は、サプライヤーへの輸送コストがかかることや自動車関連の外注先が少ないことなど不利な点が多くあります。 一方で、自動車関連製造業の多くが関西、関東、九州に集中している中で、南九州に拠点を持つことは、自然災害等で同地域が被害を受けた際にも弊社が生産を継続できる強みにもなっています。 当社内においても、奈良と生産拠点を分けることによって、BCPの観点から、安定的に部品を供給できる体制を整えることができています。
株式会社飯塚製作所
Q4

従業員の現地採用はどれくらいの割合ですか?
また、鹿児島県での人材確保は難しくありませんか?

鹿児島工場は、操業開始時は従業員17名からスタートしましたが、現在103名を数えるまでになっています。
また、2022年11月現在の鹿児島工場従業員数103人全員が現地採用です。
しかし、最近では、大手企業の大量採用などにより、新卒採用をはじめ、中途採用も厳しい状況になっています。
引き続き、鹿児島県や姶良市の力も借りながら、従業員の確保に努めていきたいです。
株式会社飯塚製作所
Q5

鹿児島工場の今後の展望を教えてください。

今後は新規に増設した鹿児島第2工場を中心に新規受注品の生産を拡大し、また、コーティング事業など新たな事業の立ち上げを図ることで、鹿児島工場を拠点として更に増産・拡大していく計画です。
また、近い将来には更なる増産に備え、第3工場の建設も考えております。
これからのものづくり企業には、国際社会で認められる技術力が必要不可欠であり、日本の南の玄関口ここ鹿児島から世界へ向け信頼性のある製品を提供できるよう、頑張ってまいります。
株式会社飯塚製作所

令和4年11月24日インタビュー実施