株式会社
日特スパークテックWKS
さつま工場

北薩地域
世界一のシェアを誇る自動車エンジンなどの内燃機関に欠かせないスパークプラグやグロープラグ及びその部品等の製造メーカー
Q1

株式会社日特スパークテックWKSさつま工場の概要について教えてください。

内燃機関エンジンのスパークプラグを製造する3番目の工場として、さつま工場は1974年4月に月産180万個、従業員90名で操業を開始し、現在では月産2,500万個にも及ぶ世界一の生産能力を誇る工場に成長しました。
今では従業員、派遣社員、請負工程を含めて1,150名が働いており、来年で操業50年目を迎えます。
工場敷地面積は約23万㎡(東京ドーム約5個分に相当)を有しています。
また、海外10カ国に工場がありますが、うち6カ国にさつま工場から技術指導として赴任しています。
運動部も盛んで、特にラグビー部、野球部は精力的に活動している関係で、工場内にはラグビー場、野球場、トレーニングジム,温泉があり、厚生施設は充実しています。
加えて、地域貢献としてラグビー場はドクターヘリのランデブーポイントにもなっています。
株式会社日特スパークテックWSKさつま工場
株式会社日特スパークテックWKSさつま工場 山口益男氏
Q2

さつま工場は日特スパークテックWKSにとってどのような位置づけとされていますか︖

我々日本特殊陶業グループ(以下日特グループ)の売上は、自動車関連事業が約80%を占めており、そのうち世界シェアNo.1を誇るスパークプラグは約50%を占め、日特グループでは現在でもスパークプラグは屋台骨の位置づけです。
その中でもさつま工場はスパークプラグ100%生産工場であり、セラミック工程~最終組立工程までの一貫生産をしている世界一の工場です。
スパークプラグは国内6拠点、海外10カ国(11拠点)で生産していますが、さつま工場は最大の工場であり、全スパークプラグ生産の約30%~35%をここさつま工場で生産をしておりますので、日特グループにとって非常に重要な拠点であるといえます。
株式会社日特スパークテックWSKさつま工場
Q3

全国的に生産年齢人口が減少し、地方はさらに人材確保が厳しい状況の中で、スパークプラグの生産能力が世界一の工場を地方で操業し続けるために行われている取組を教えてください 。

日本の人口減少率は30年間で全国平均が16%に対して、鹿児島県は23%、さつま町は42%であり、地方は都会に比べて減少率が高く、今後ますます少子高齢化が進んでいきます。
さつま工場は世界一の生産工場を維持し、さらなる成長をしていく為には、工場の省人化はもちろんですが、雇用確保が重要であり、毎年新卒者(地元高校)の採用、都会からのUターン者およびIターン者の募集、外国人労働者の受入倍増など戦略的に考えていく必要があります。
社内では、女性が活躍する職場を増やしたり、65歳以上でも働ける職場づくりなど職場環境の整備も重要になります。
また、さつま町から町有地の取得などの支援を受け、社宅整備を行っており、これからもさつま町で操業し続けられる環境を整備していきます。
Q4

さつま工場の一部製品の輸出港を川内港に切り替えたと伺っています。
今回川内港に切り替えた理由とその期待される効果を教えてください 。

これまで海外への輸出は博多港から行っていましたが、港までの陸送に時間と費用が掛かっていたのに加え、トラック陸送によるCO2排出が問題でした。
川内港を整備いただいたことで、我々の製品が川内港から海外へ輸出することが可能となり、2022年9月26日から中東と豪州向けの輸出については、博多港から川内港に変更したことで、輸送距離が約200キロも短縮できました。
その結果、物流リードタイムの短縮と物流費の削減、トラック輸送距離短縮によるCO2削減をすることができ、また、地元鹿児島県の港を利用することで地域貢献にも繋がっています。
株式会社日特スパークテックWSKさつま工場
Q5

さつま工場の今後の展望をお聞かせください

さつま工場は、世界一の生産工場に成長しました。世の中では自動車の電動化が加速していますが、スパークプラグを使用する内燃機関エンジン車の世界保有台数はまだまだ多く、補修用プラグとしても供給が続きます。
将来、さつま工場はスパークプラグ生産のマザー工場として、他の国内工場や海外工場を引っ張っていく存在になると思いますので、さらに良いものを安く提供できるように工場一体となり精進して参ります。
またスパークプラグの生産にとらわれず、SDGsを意識した新規事業の創出など魅力ある工場も目指していきます。
株式会社日特スパークテックWSKさつま工場

令和4年12月7日インタビュー実施